パーレイグループは98年に設立され、同じ年にParlay API仕様の初版を発表した。以来、メンバー数は増加の一途を辿り、現在では創立時の15倍に当る規模にまで成長した。 ミーティングは年に2回(設立当初は3回)開催され、毎回、各作業部会の参加メンバー同士が活発な議論を交わしている。創設当初はAPI策定のための技術検討が大半を占めた。このため、ゲートウェイを開発している通信機器メーカーや、Parlay APIの上でアプリケーションを開発するITベンダの参加が中心を占めた。しかしAPIの中身が固まるにつれ、ビジネスモデルを巡る議論がたけなわとなり、キャリアを中心とするサービスプロバイダやアプリケーションベンダが積極的に議論に加わるようになってきた。 02年秋にアイルランドのダブリンで開催された「Parlay Openミーティング」には、250名を超える出席者が参集。Parlayを使ったビジネスについて、10社以上の参加企業が各々趣向を凝らしたプレゼンテーションを繰り広げ、参加者の興味を引いた。 当初Parlay/OSA APIは、主に電話の呼制御に関わる仕様にフォーカスしていた。だが、03年に発表された第4.1版には、将来のキャリアビジネスに必要不可欠なAPIが続々と定義された。ロケーション、プレゼンス・アベイラビリティ、アカウントマネージメント、ペイメント、チャージング、等々である。 パーレイグループでは、早くも01年からWeb Serviceの分科会を発足。Parlayで規定されている機能を、どのようにWeb Serviceとして定義するか、議論を重ねてきた。一方、Parlay/OSA APIはその経緯からして、Java等のプログラミング技術を熟知したアプリケーション開発者向けに、ある程度痒いところまで手が届くような仕様を目指していた。だが同時に、「もっと簡単に、キャリアのリソースを外部から利用できないか」との要求が上がっていた。これに応えるべく策定されたのが「Parlay-X Web Services」である。 Parlay-X Web Servicesは、Parlay/OSA APIに比べて、より粒度の大きいサービスを提供するためのビルディング・ブロックを提供する。これはより広範な、Webアプリケーションを提供する人々を対象としている。このため、03年に第1版がパブリシュされた直後から、Web Servicesを開発するISVコミュニティー内外の注目を集め、すでに20件を超える実装例が存在している。因みにParlay-X Web Servicesは、昨今話題のSOA(Service Oriented Architecture)をテレコムネットワーク上で実現するひとつの形であると言える。 Parlay/OSA APIsには、CORBAが想定するC/C++環境とJava環境での使用を目的とした豊富な通信APIセットが定義されており、その数は数百メソッドを含んでいる。具体的には、認証やサービスにアクセスし利用するための手続きをアプリケーションに提供するFramework機能をはじめ、一般的な呼制御機能を提供するGeneric Call Control、昨今のプッシュ・トゥ・トークにも利用されているPresence and Availability、位置情報を提供するMobility機能など、計12種類のサービスを提供している。
Parlayの各種API
Parlay/OSAの最新版は、05年5月にリリースされたV5.0である。一方、Parlay-X Web Servicesの最新版は、05年3月のV2.0である。両者を比較すると、Parlay-Xは、Web Servicesからの利用をより強く意識した、高レベルで使いやすい8種の通信APIセットの領域に絞って、機能を充実させている。特に、ユーザーのロケーションやプレゼンスに対応する機能や、SMS/MMSに対応する機能が中心となっている。もちろんWeb Servicesから発呼するためのCall Control機能も、Third Party Call機能という形でサポートされている。 以下、後編では、Parlayが実現可能とするソリューションの具体例などを紹介する。