ソリューション・ファイル
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●エンピレックス/ネットワーク監視ソリューション
ネットワーク監視の「3つの無理」を可能にする
次世代IPモニタリングシステムXMS
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エンピレックスが、11月に日本で発売するIPv6、IPSec、Diameterに対応のIPモニタリングソリューションHammer(ハンマー)XMS Ver1.6の前評判が高い。評価ポイントは、呼のリアルタイム監視や音声のモニターなど、事業者が無理だと考えている機能を標準でサポートしている点だ。
今年に入って家庭への光アクセス回線の普及、それに伴うIP電話の導入にはずみがついてきた。日本の通信ネットワークは、まさにIPベースの次世代統合ネットワーク(NGN)に向け、大きく歩を進めはじめたといってよいだろう。
こうした中で、IP電話の通信障害の発生がしばしば報じられている。技術の急速な進歩に、通信事業者の対応が追いつかなくなってきているともいえそうだ。
この種の通信障害の原因究明や対策に威力を発揮するソリューションとして、今、通信事業者の間でIPネットワークの運用状況を監視できるモニタリングシ ステムへの関心が高まってきている。中でも、注目されている製品の1つとしてあげられるのがVoIP測定器のトップベンダー、米エンピレックスが日本での 展開を本格化させた「Hammer(ハンマー)XMS」(以下XMS)である。
エンピレックスは、VoIPやIVRなどの音声アプリケーションやWebアプリケーション向けの負荷試験器、解析ツールで知られる測定器ベンダーだ。
XMSは、これらの製品で培ってきた技術やノウハウを生かして開発された、通信事業者のIPネットワークの運用前試験や運用中の品質管理・検証用のソ リューションだ。エンピレックスの他のソリューションは機器メーカーなどが主にシステムの開発段階で用いられているが、XMSでは通信事業者などがサービ ス開始後に利用することが想定されている。同社にとってはこれまでにないアプローチといえる。
他社に先駆け「次世代」に対応
この製品は、IP電話(VoIP)のモニタリングツールとして、2004年から展開されているもので、現行版ではSIPやH.323、H.248/MEGACOなどのプロトコルがサポートされている。
さらにSIPをベースに様々な通信サービスをIP網に統合するIMS/MMDへの関心が強まってきたことから、これらに対応するプロトコルの実装に力を 入れており、11月にリリースされる最新版(Ver1.6)では、IPv6、IPSec、次世代認証プロトコルのDiameterに対応する予定だとい う。VoIPのみならず、次世代ネットワーク(NGN)のモニタリングツールへと進化しようとしているのだ。他社製品に先駆けて次世代対応を図っているこ とが、XMSが注目される理由の1つといってよい。
診断から分析までサポート
では、XMSはどのようなソリューションなのだろうか。
このソリューションは、システムの管理、ネットワークの診断、分析などの機能を担う「オペレーションサーバー」とネットワークの各拠点に設置され必要な データを検出してオペレーションサーバーに送出する「プローブ」という2種類の装置で構成されている。プローブは、接続された回線を通過するパケットの ヘッダを読み取り、その中からキーとなる情報を検出し、リアルタイムでオペレーションサーバーに送り出す。ネットワーク上の各拠点に配置されたプローブか ら送られてきた情報はオペレーションサーバーで呼ごとに整理され、PCのWebブラウザー上で閲覧可能となる。この表示画面では、該当する呼に異常があれ ばアラームが付加される。また、呼の欄をクリックすれば、「ラダーダイヤグラム」などの形でデータのやりとりを表わす詳細情報が表示される。呼情報は画面 をスクロールして3000件までさかのぼることができる。それ以前の情報も日時を指定して呼び出すことが可能だ。
写真:Hammer XMS オペレーションサーバー(上)
Hammer XMS パッシブプローブ

画面:トレースする呼を指定することにより、
その呼のRTPがラダーダイヤグラムなどの形で表示される

さらにXMSでは、その情報を一定の書式に整理する「報告機能」や、蓄積した情報をもとに視覚化を行うBHCA(最繁呼数)などの指標を算出する「分析 機能」もサポートされている。情報は標準的なフォーマットでDBに蓄積されているため、他社の解析ツールを使った分析も可能だ。
XMSからSNMPトラップがあげられ他の監視ソリューションではできない呼の監視をXMSで補完し、かつ既存の統合監視システムと融合できる。
ところで、XMSで用いられるプローブには、情報を転送する機能のみを持つ「パッシブプローブ」と、あわせて試験呼の発呼機能もサポートする「アクティ ブプローブ」の2種類がある。前者を用いたソリューションは「Hammer XMS Passive」、後者は「Hammer XMS Active」という製品名で提供されている。ちなみに「Active」はアクティブプローブの試験呼の診断・報告に特化したもので、48呼の同時発呼に 対応できる能力がある。なお、本稿は基本的に、XMSをXMS Passiveの意味で用いている。
図:Hammer XMS Passiveの設置・動作イメージ

再現待ち」が不要に
XMSのターゲットは、IPサービスを構築する通信事業者やCATV事業者やシステム構築を担うSI会社など多岐に及ぶ。エンピレックスでは、7月頃からこれらの見込み客に対するPassive Ver1.6の営業活動に力を入れているが、日本法人でXMSを担当する石井善志彦シニアマネージャーは「キャリアの評判は驚くほどいい」という。
事業者のXMSの評価ポイントは大きく3つあげられる。
その1つ目がXMSでは詳細なカスタマイズが可能であり、メガキャリアからCATV事業者まで、さまざまなユーザーのニーズに対応できることだ。
2つ目の評価ポイントがパケットの「関連付け能力」の高さだ。
XMSでは各プローブからオペレーションサーバーに送られてきた情報は、キーデータをもとに呼単位で整理され、ディスプレイに表示される。これに要する時間はわずか2秒。ほとんどリアルタイムでのネットワーク監視が可能になるという。
石井氏は「これによりエンドユーザーからクレームがくる前に異常を察知でき、事業者がトラブル対策で先手を打てる」という。
また、他社のIPネットワークモニタリングシステムでは、一般にパケット情報の関連付けのキーとしてIPアドレスの一部が使われている。この場合、ゲー トウェイなどを経由して、アドレス変換が行われると呼が把握できなくなる。そこでXMSでは複数の検出キーを指定して、関連付けを行うことで、ユーザーの ネットワーク形態を問わずに導入が可能としている。
さらに、この関連付けに処理能力の高いエンジンを用いているため、音声通話のモニターも実現できることも、大きな特徴といえよう。
もう1つ特筆されるのが大容量データベースの登載により、IPネットワークでのトラブルにつきものだった、症状の「再現待ち」が不要となる点だ。
搭載されたデータベースは、通常の利用形態で1〜2ヶ月分に及ぶ詳細な運用データの保存が可能だ。これにより「再現待ち」が不要となり、ただちに原因の究明に入れるのだ。
これらに共通するのは、通信事業者が現状では「まず無理だ」と考えているニーズを当然のこととして実現している点だといってよい。
IPネットワークの管理を大幅に効率化する可能性を秘めたXMSは、今後本格化する日本のNGNの構築に不可欠な存在となる可能性が高いようだ。
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