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●日本ストラタステクノロジー/FTサーバー

 

低価格なLinux版無停止サーバーで

テレコムシステムのTCOを削減

 

 
通信事業者のシステムは、電力・ガス・水道と並ぶ社会インフラである。そうしたシステムを止めることなく稼動させ、問題解決に実績を積んできたのがストラタスの無停止型サーバーだ。今回、低価格なLinuxサーバー2機種をたて続けにリリース。「高信頼性=高額」という常識を覆し、通信事業者の導入を一層促進する構えだ。


 「ストラタスのFT(無停止型)サーバーは、国内外あわせると、かなり多くの通信事業者に導入されています」・日本ストラタステクノロジーの執行役員でビジネス開発本部の本多章郎本部長は、FTサーバー導入実績について、同社の変遷を交えて説明した。
 国内市場への進出は1986年。日本法人を設立し、独自OSを搭載したFTサーバーを市場に投入した。90年から通信事業者向けの導入促進策を展開したことで、徐々にテレコム業界に浸透していったという。
 施策の1つはUNIX OSへの対応だった。UNIXのオープンソース性により、開発や保守が容易になる。さらに、通信事業者の技術者はUNIXに対する信頼が厚く、UNIX対応は有力な採用条件となった。
 また、共通線信号方式のSS7に対応したミドルウェアを開発。これは「SINAP(Stratus Intelligent Network Applications Platform)」と呼ばれ、「システムの開発期間を短縮できる」との評価を得た。

 

図1:テレコム向けLinux機を発表

 

 

さらに、テレコムシステムの経験豊富なNECとの、協業開始も大きかった。
 これらに加え、「通信システムの基盤技術に変化が起きたことが追い風になりました」(本多本部長)とのこと。この技術変化とは、例えば携帯電話のデジタル化、端末の高機能化、網のセキュリティ強化などを指す。そのインフラの上に、新たなサービスが次々生まれてくる。
 複雑で大容量、しかも信頼性の高いシステムが求められ構築されていくなか、そのプラットフォームとしてストラタスのFTサーバーは採用されることになった。
 代表的なアプリケーションには、SCP(Service Control Point)やHLR(Home Location Register)等がある。HLRは携帯電話の加入者情報や所在情報を格納するデータベースシステムである。
 だが98年、経営面に大きな変化が生じる。企業向けネットワーク機器ベンダーのアセンド社に買収され、これを機に製造業・流通業・金融業分野向け事業等、テレコム部隊以外で新生ストラタスとして再スタートを切った。その直後、アセンドがルーセントに買収され、2003年には残してきたテレコム向けFTサーバー部隊をストラタスが買い戻し、現在の組織形態となった。
 「直近の8年間に様々なことがありまたしたが、ストラタスの信頼性技術はより進化してきています。日本のお客様の一部には「ストラタスはどうなったのか」という印象を持たれたかもしれませんが、従来以上にテレコム分野に力を入れています。」(本多本部長)。日本でのテレコム事業に空白期間を作ってしまったことに残念な思いはあるようだが、それを埋めて勝る事業拡大に同社は意欲を見せている。

 

ハード上の多重化で高信頼性

 

 では、ストラタスのFTサーバーには、どのような技術上の利点があるのだろうか。本多本部長は「強みはなんと言っても、冗長化構成をハードウェアで実現していることです。ミドルウェアに依存するクラスタ構成のシステムと比べ、TCO(総保有コスト)を抑制でき、高い信頼性が得られます」と説明する。
 まず、クラスタシステムには、一般的に次のような問題点がある。
@予め起こりうる障害を想定し、対応するフェイルオーバースクリプトを生成する必要があるが、これには技術的な知識と経験を要する
Aフェイルオーバースクリプト外の予期せぬ障害には、対応できないことがある
Bアプリケーション構築時には、プラットフォームの多重化や設定を意識した開発やテストが必要となる
C障害発生時には、サービスの停止に加え、メモリ内のデータや処理中のトランザクションを失う可能性がある
Dクラスタの切り替え時間が長い
 これに対してストラタス社のFTサーバーは、以下の優位性を備えている。
@障害発生時には問題部分だけを切り離すため、サービスを継続できる
A障害復旧時にはサービスを継続したまま復旧させることができる
Bフェイルオーバースクリプト等の管理が不要で、多重化設定等を意識せずアプリケーションを構築できる
Cハードウェアが総合的な自己診断と警告通知を実行。サーバー運用に支障が出る前に問題を検出・分離してレポートする
D無人のオンラインサポートが可能
 これらの機能や取組みは、全世界のユーザー企業の支持を得ている。

 

テレコム向けLinux機を発表

 

 ストラタスは先ごろ、Linux OSを搭載した「Mシリーズ」および「Tシリーズ」を相次いで発表した。NGN(次世代網)や新たなサービスの構築と実行を強く意識した新製品である。

 Mシリーズの特徴は、MIRACLE LINUXを採用した点。通信事業者のシステムには、導入後の長期間にわたるベンダーサポートや、緊急時の迅速なレスポンスが不可欠となる。その点、日本を含むアジア圏に主要拠点を展開するミラクル・リナックス社のOSなら、オープンソースでのユーザーの負担はない。MシリーズではOSに関して「出荷後7年間」という長期メンテナンスを公式に保証している。

 さらに、CGL(Carrier Grade Linux)に準拠している点も特筆される。CGLはOSDL(Open Source Development Labs)のキャリアグレード作業部会がまとめた高信頼性Linuxの要件仕様である。

 一方、Tシリーズ(T30 COシステム)のOSはRed Hat Enterprise Linux。SINAPに対応しているほか、局舎にあわせ−48Vの直流電源でも稼働できるなど、テレコムシステムへの適用に配慮した。

 SINAPはSS7に対応しているが、SS7の詳細仕様は国や地域により若干異なる。SINAPは日本(NTT)、TCC、ITU-T、ANSI、中国、韓国などの仕様をカバーし、相互の通信互換性を確保。また、SIPにも対応しているため、IPやNGN等の領域でも活用できる柔軟性を持っている。

 2機種ともLinuxを採用したIAサーバーで、最小構成価格を500万円台に抑えるとともに、システム全体の導入コストも低減可能となる。 さらに今後も、SINAPをベースとしたFMCアプリケーションや、処理性能と運用保守性に優れたシステムの開発意向を表明。要求の厳しい日本の通信事業者に最適な製品を、次々提供していく方針だ。

 

図2:無停止型サーバーの3つのタイプ

 

 

 

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