米NMSコミュニケーションズ社は2005年、AdvancedTCA準拠のメディアブレード「MG7000A」や、IMSの重要な構成要素となる「Visionメディアサーバーシリーズ」を発表した。NTT-ATではこれらの製品群を通じ、ネットワーク構築事業者(NEP)やシステムインテグレータのNGNソリューション構築を支援。15年以上におよぶNMS社製品の販売・技術サポートの経験を投入し、NGN構築を促進していく構えだ。
NTT-ATでは、米NMSコミュニケーションズ(NMS)社製の「CTボードシリーズ」と開発用ミドルウェアを、NTT-AT GlobalWAVE製品群「VOCALNETシリーズ」の中核製品に位置づけ、91年より販売している。
VOCALNET CTボードシリーズのインタフェースは、アナログ回線、INS64/1500回線のほか、SS7やVoIPにも対応。処理可能なメディアも、音声からFAXや映像へと、十数年にわたり拡張し続けてきた。
2005年、NMS社はAdvancedTCA(ATCA)規格に準拠したメディアブレード「MG7000A」や、「Visionメディアサーバーシリーズ」を発表した。NTT-ATではこれらの製品を「VOCALNETシリーズ」に加えるとともに、NGNソリューションへの対応をさらに強化。15年以上にわたるNMS社製品の販売・技術サポートの経験を最大限生かしながら、NMS社と共同でネットワーク構築事業者(NEP)向けに提供していく方針だ。
●ATCA準拠のメディアブレードMG7000A
NEPがNGN向けのソリューションを設計する際には、多くの場合、ATCA準拠のフォームファクタを使用する。標準化された筺体の中に、単独または複数のネットワークエレメントを統合して実装し、IMS(IP Mulutimedia Subsystems)のハードウェアプラットフォームを構築する。
シャーシ内の全てのATCAブレードは、パケットスイッチング・ファブリック経由で相互に高速通信する。ブレードを追加する際は、ファブリックスイッチの構成を若干修正するだけで、シームレスに統合できる。このため、柔軟な拡張性を損なうことなく、ソリューションのコストを抑制できる。
NMS社のATCAメディアブレードMG7000A(写真)は、高速なオンボードプロセッサと大容量のDSPを搭載。音声のエンコーダ/デコーダ、ビデオトランスコーダ、レートアダプタ、高性能エコーキャンセラー、ゲートウェイ機能、IPv6対応QoSによる高密度ネットワーク接続などを処理する。また、アプリケーションの要求に応じて機能構成を変更できるため、高性能ボイスゲートウェイ、メディアサーバー、ビデオゲートウェイ、H.223マルチプレクサ/デマルチプレクサとしても使用できる。
写真:NMS社製のメディア処理ブレード「MG7000A」

●高可用性MRFPをATCAで構成
NGNの構成要素であるMRFP(Multimedia Resource Function Processor)を実現する際は、ATCAコンポーネンツを使って、専用MRFPを構築するのが最適である。限られたスペースの中で、高い処理性能とモジュール型の機器構成が要求されるからだ。
MG7000Aはホットスワップが可能である。最重要なシステムコンポーネントは、[1+1]の形に完全冗長化される必要がある。だが、そこまでクリティカルでないコンポーネントについては、[N+1]の形で構成すればよい。これにより、99.999%の可用性を備えながら、コスト的にも優れたシステムを設計できるようになる。
MRFPは、IMSアプリケーションサーバーとMRFコントローラに対して、H.248とSNMPマネージメントのプロトコルインタフェースを提供する。トライアル段階のメディア処理システムを構築する際にMG7000Aを用いれば、小規模かつ短期間でトライアルを実施に移せる。サービス提供者は、加入者の増加に応じてMG7000Aの数を追加するだけで、メディア処理リソースを拡充でき、システムを容易に拡張できる。
MRFPは広範囲にわたるメディア処理機能の全てを提供する。音声案内、メディア変換、音声および映像を用いたIVRや会議機能などを駆使した、複雑なマルチメディア・アプリケーションを実現可能とする。
MG7000Aは高密度なVoIP処理機能を備える。これを複数実装したMRFPは、1台で音声案内なら1万ポート、双方向音声セッションなら最大7200ポート、双方向のビデオセッションなら3600ポート規模を処理できると予想される。
●IMSビデオサーバーを構築
図1はNMS社のMG7000Aおよびシグナリングブレード「TX7000A」を用いた場合の、IMSビデオサーバーの構成例である。
このシステムは、MRFCとMRFPを備えた完全なMRF機能を実現する。メディアゲートウェイ(MGW)エレメントとIMSシグナリングゲートウェイ(SGW)は、3G-324MビデオのTDMアクセスポイントに直接接続する。さらに、このMRFP(またはMGW)エレメントは、H.263(またはH.264)からMPEG4に変換するための、高密度なビデオトランスコーダ機能も兼ね備えている。
図1:NGNレディなビデオサーバーの構築例(MRFP+MGW+SGW)

●IMSのために用意されたVisionシリーズ
NMS社が2005年に発表したVisionメディアサーバーシリーズは、次世代の複合型マルチメディアアプリケーションを実現する。システムインテグレータやアプリケーションサービスの提供者が、OEMを含め、高付加価値サービスを短期間に展開する上で、最適な製品シリーズと言える。
この包括的な製品群は、高度なメディア処理技術と可用性によって、キャリアグレードの性能と信頼性を提供する。SIP、VoiceXML、CCXMLなどの業界標準プロトコルに対応。課金機能やOAM(ネットワークオペレーションの保守運用管理)機能も備えている。また、ソフトウェアベースの分散アーキテクチャによって、IMSの進化に即して必要となる機能や新たな標準勧告にも、柔軟に対応することができる。
音声、映像、データアプリケーションといったメディアは、それぞれ固有のタスクを要請する。Visionシリーズを構成する各製品は、それぞれ特定のメディアを対象とするタスクに最適化されている。主な製品ラインアップは次のとおりである。
・Visionメディアサーバー:
マルチメディアとネットワーク接続に対応した高性能プロセッサ。MSML、MOML、CCXMLなどのハイレベルプロ
トコルをサポートする。
・Vision VoiceXMLサーバー:
TDM、SIP/IP、3Gネットワーク上において、IVRやビデオアプリケーションを開発・展開するための完全なソリュ
ーション。
・Visionビデオゲートウェイ:
3G-324M対応モバイル機器と、IPベースのビデオアプリケーションをつなぐゲートウェイ。両者の間で、リアルタ
イム、双方向、またはストリーミング型のビデオセッションを結ぶ。
・Visionビデオトランスコーダ:
H.263とMPEG-4を含むビデオフォーマットに対し、リアルタイムで高密度なトランスコーディングとレート変換を
実行する。
・Visionシグナリングサーバー:
複数のVisionメディアサーバーに対して、拡張性の高いSS7ネットワークシグナリング機能を提供する。
図2はマルチメディア・アプリケーションシステムの構成例である。ここには2種類のVisionサーバーが使われている。
図2:メディアサーバシリーズマルチメディアアプリケーションに
最適な柔軟性の高いVoiceXMLソリューション

●IMSへの取り組みは始まっている
IMSアーキテクチャは3階層のレイヤで構成され、デバイス、ネットワーク、サービスそしてアプリケーションの真の融合を実現する。これにより、無線、有線、ブロードバンドネットワークの垣根を越えた新たなサービス提供と、システム運用コストの削減を可能にする。
世界の通信サービス事業者がIMSへの取り組みを開始している理由がここにある。IMSにより通信サービス提供者は、自社の加入者に対する既存サービスを継続しながら、新規の加入者を獲得する道を開くことができる。日本の通信事業者各社も、既にIMSベースのサービスを計画中である。柔軟なサービスの作成と、有効利用を促進するための戦略を立案している最中だ。
IMSサービスの中核となる機器は、キャリアグレードの信頼性と高可用性、機能の柔軟性と拡張性とを兼ね備えていなければならない。サービス提供者が、複数のIMSネットワーク機能エレメントを、最低限のハードウェア構成で実現するためである。ATCAのフォームファクタはこの要求に応えるものだ。
NMS社が製品化したネットワークエレメントは、NGNにおけるIMSソリューションの構築に最適である。ここには、メディア処理とシグナリング処理の分野における、同社の20年以上の経験が生かされている。開発環境に関するノウハウを注ぎ込んだ、最新のWebベースのツールも提供されている。
NMS社のVisionメディアサーバーやゲートウェイシリーズには、高度なメディア処理技術とスピーチ技術が実装されている。この包括的な製品群を利用すれば、今日のサービス事業者のニーズに適合した統合型マルチメディア・アプリケーションを、短期間で開発できる。さらにVisionシリーズの分散型ソフトウェアアーキテクチャは、ビデオサーバーやMRFPなど、IMSサービスの提供にも適している。NGNレディなソリューションへと、システムをシームレスに進化させることができるのだ。
NTT-ATはこうしたNMS社製品群を国内のNEPへ提供することで、NGNの早期実現を推進していく。併せて、国内の各種ネットワークに関する詳細な知識、豊富なシステムインテグレーション実績、開発経験を、技術サポート面に生かしていく構えだ。
参考資料:
「Vision Servers as IMS Network Elements」by Dr. George Kontopidis, Senior Vice President, Product and Technology Strategy, NMS Communications
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NTTアドバンステクノロジ株式会社 コミュニケーションシステム事業本部
ユビキタスコミュニケーションシステム事業ユニット 営業統括部門長: 清野 美智
営業担当:宗里、庄司、井上、高山 TEL:03-5956-9052 FAX:03-5956-9058
E-mail:vocalnet@ntt-at.co.jp URL:http://vocalnet.ntt-at.co.jp