ソリューション・ファイル
ハードウェアの完全二重化機構を備えたフォールトトレラント型サーバーは、通信事業者や金融機関のシステムに広く活用されている。さらにストラタスでは、局舎内に最適化されたFTサーバー機をラインナップ。INシステムやIPゲートウェイの構築を容易にするミドルウェアも用意している。
ftServerが可能にする24時間の無停止運用
ftServerではCPU、メモリー、チップセットを実装している「CPUエンクロージャ」が二重化されている。また、PCIのブリッジやカードスロットを実装する「I/Oエンクロージャ」も二重化されている。このためシステム全体は大きく4つのコンポーネントから成り、それぞれが相互接続されている(図1)。
図1:二重化された「ftServer」の内部構成
通常のサーバーマシンでは、CPUエンクロージャとI/Oエンクロージャが1枚のマザーボードの上で構成されている。ftServerでは処理を実行する部分と、I/Oを実行するコンポーネントを分離。それぞれを冗長化することで、いずれか一方に障害が発生しても、システム全体が停止しないようにしているわけだ。
この完全に同期をとる技術こそ、FTアーキテクチャを実現する重要な鍵となっている。「ロックステップ」と呼ばれる技術である。出力結果は1つにまとめられ、I/O処理に廻される。 ここで図2の下段ように、一方のCPUエンクロージャが障害を起こしたとしよう。それでも、もう一方のCPUエンクロージャが処理を続けるため、システム全体としての処理は止まらない。障害を起こしたコンポーネントはサービスから切り離され、残ったコンポーネントが処理を継続する。ftServerではこうした仕組みをすべてハードウェアで実現している。
ハードウェアで実現する無停止サーバーの利点
ftServerを使うメリットは、ハードウェアで無停止を実現する点に集約される。
通信局舎に最適化された「ftServer Tシリーズ」
ストラタスでは、特に通信事業者向けに開発されたFTサーバーマシンも用意している。「ftServer Tシリーズ」がそれである。Tシリーズには、局用電源(DC電源)モデルと、一般交流電源(AC電源)モデルがある。両機種の基本スペックは表のとおりである。
表:「ftServer Tシリーズ」の基本スペック
局用電源モデルは、物理的に4CPU(論理的には2CPU)を搭載。通信事業者の局舎内への設置を想定し、「NEBSレベル3」に準拠している。また、交換機用の直流-48V電源に対応し、環境基準にも適合。通信事業者向けシステムなので、共通線信号方式をサポートする。
図3:「SINAP」ミドルウェアの概念
SINAPはストラタスの独自ミドルウェアで、SS7(Signaling System No.7:共通線信号方式)を、ストラタスのハードウェア上で実現する。ITU-T、ANSI、TTCといった国際標準仕様に加え、NTT仕様はもちろん、中国を含む世界各国・各標準化団体の規格に準拠。また、「SS7 over MTP」「SS7 over SIGTRAN」「SS7 over SIP」のプロトコルスタックを搭載している。
本多章郎 Akio Honda
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