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 ソリューション・ファイル

●日本ストラタステクノロジー/FTサーバー

交換局に特化したモデルを用意

SIP/SS7対応ミドルウェアも提供


日本ストラタステクノロジー株式会社 執行役員ビジネス開発本部長 本多章郎(ほんだ・あきお) 

 
ハードウェアの完全二重化機構を備えたフォールトトレラント型サーバーは、通信事業者や金融機関のシステムに広く活用されている。さらにストラタスでは、局舎内に最適化されたFTサーバー機をラインナップ。INシステムやIPゲートウェイの構築を容易にするミドルウェアも用意している。


日本ストラタステクノロジーでは、フォールトトレラント(FT)機能を搭載したサーバープラットフォーム、「ftServer」シリーズを開発・製造・販売している。
 FT(Fault Tolerant)とは、二重化されたハードウェア・コンポーネントの上で、同一アプリケーションを実行させる仕組みを意味している。これにより、万一ハードウェア障害が発生しても、システムが止まることのない無停止環境を実現する。通信事業者、金融機関、物流業界など、システムの24時間連続稼動が要求される分野で広く利用されている。

 

ftServerが可能にする24時間の無停止運用

 

 ftServerではCPU、メモリー、チップセットを実装している「CPUエンクロージャ」が二重化されている。また、PCIのブリッジやカードスロットを実装する「I/Oエンクロージャ」も二重化されている。このためシステム全体は大きく4つのコンポーネントから成り、それぞれが相互接続されている(図1)。

 

 

図1:二重化された「ftServer」の内部構成

 

 通常のサーバーマシンでは、CPUエンクロージャとI/Oエンクロージャが1枚のマザーボードの上で構成されている。ftServerでは処理を実行する部分と、I/Oを実行するコンポーネントを分離。それぞれを冗長化することで、いずれか一方に障害が発生しても、システム全体が停止しないようにしているわけだ。
 では、実際にはどのようにして、無停止を実現しているのだろうか。


 

図2:障害発生時にもシステムは停止しない
 今、図2の上段のシステムは、正常動作の状態にある。2つのCPUエンクロージャはまったく同じタイミングで、まったく同じ処理を実行している。例えば片方が「1+1」を計算していれば、もう一方もまったく同じタイミングで「1+1」を計算している。
 この完全に同期をとる技術こそ、FTアーキテクチャを実現する重要な鍵となっている。「ロックステップ」と呼ばれる技術である。出力結果は1つにまとめられ、I/O処理に廻される。
 ここで図2の下段ように、一方のCPUエンクロージャが障害を起こしたとしよう。それでも、もう一方のCPUエンクロージャが処理を続けるため、システム全体としての処理は止まらない。障害を起こしたコンポーネントはサービスから切り離され、残ったコンポーネントが処理を継続する。ftServerではこうした仕組みをすべてハードウェアで実現している。

 

ハードウェアで実現する無停止サーバーの利点

 

 ftServerを使うメリットは、ハードウェアで無停止を実現する点に集約される。
 まず、クラスタソフトなどの特別なミドルウェア製品を使う必要がない。したがって、そのための複雑な設定も不要である。
 さらに、二重化されたCPUが同期並行処理を行っているため、障害発生時にもフェイルオーバーされることがない。そのためのサービスの停止も必要としない。
 しかも、内部が二重化されていても、一時点では同期して同じ処理を実行しているため、論理的にはシングルサーバーと同じ扱いになる。このため、アプリケーションの開発が容易となる。運用保守も容易となる。ソフトウェアのライセンスについても、ftServer1台を「1サーバー」と換算する製品が多いため、初期投資を抑えることにもつながる。

 

通信局舎に最適化された「ftServer Tシリーズ」

 

 ストラタスでは、特に通信事業者向けに開発されたFTサーバーマシンも用意している。「ftServer Tシリーズ」がそれである。Tシリーズには、局用電源(DC電源)モデルと、一般交流電源(AC電源)モデルがある。両機種の基本スペックは表のとおりである。

 

 

表:「ftServer Tシリーズ」の基本スペック

 

 局用電源モデルは、物理的に4CPU(論理的には2CPU)を搭載。通信事業者の局舎内への設置を想定し、「NEBSレベル3」に準拠している。また、交換機用の直流-48V電源に対応し、環境基準にも適合。通信事業者向けシステムなので、共通線信号方式をサポートする。
 OSにはストラタスが提供する「ftLinux」を採用しており、ミドルウェアのSINAP(Stratus Intelligent Network Application Platform)を搭載している(図3)。

 

 

図3:「SINAP」ミドルウェアの概念

 

 SINAPはストラタスの独自ミドルウェアで、SS7(Signaling System No.7:共通線信号方式)を、ストラタスのハードウェア上で実現する。ITU-T、ANSI、TTCといった国際標準仕様に加え、NTT仕様はもちろん、中国を含む世界各国・各標準化団体の規格に準拠。また、「SS7 over MTP」「SS7 over SIGTRAN」「SS7 over SIP」のプロトコルスタックを搭載している。
 SINAPを活用することによって、IN(Interigent Network)システムや、IPシグナリングゲートウェイ等を容易に構築できるようになる。

 

本多章郎 Akio Honda
日本ストラタステクノロジー株式会社
執行役員ビジネス開発本部長
http://www.stratus.co.jp/