インタビュー
MPLSがNGNの中核技術になるサンが注力している「キャリアグレードサーバー」とはどのような製品なのか。 通信事業者やISPのサービス提供に必要な機能を実現するサーバーのことで、当社ではNetraのブランドで、「ラックマウントサーバー」と「ブレードサーバー」の2つのラインナップを展開している。
エンタープライズ向けの製品とは何が異なるのか。 エンタープライズサーバーとの違いは、いわゆる「通信機器」に求められるものと同様の性能や信頼性が必要になるという点だ。具体的には以下の5つのポイントがあげらる。
こうした製品が必要とされるようになった背景はどこにあるのか。 通信の世界では、10年ほど前まで、ネットワークやサービスの制御、顧客管理などに独自のシステムが導入されており、その仕様はベンダーやキャリアによって異なっていた。そのため新サービスの開発には多額のコストがかかり、開発期間も例えば2年などという長い時間を要していた。
用途を具体的にあげてほしい。 例えば、携帯電話の基地局を制御するBSC(Base Station Controller)と呼ばれる装置や、ネットワークコントローラーをはじめ通信事業者の必要とするシステムの大半をカバーすることができる。
実際に通信キャリアにはどの程度使われているのか。現在、世界の主要な通信事業者48社に当社の製品を利用いただいている。当社はキャリアグレードのラックマウントサーバーで41%の市場シェアを確保していることになる。
エンタープライズサーバーでは、パートナーがSIを行いユーザーに製品をシステムとして販売している。キャリアグレードサーバーでもこれは同じか。 基本的なビジネスモデルには変わりはない。特にキャリアグレードサーバーでは通信機メーカー、いわゆる(Network Equipment Provider)が重要なパートナーになる。NEPがキャリアに当社のサーバーを用いてシステムを構築、これをキャリアに提供しているわけだ。すでに世界の上位11社のNEPすべてと取引をさせていただいている。 SolarisとLinuxが混在可能に今年、初のATCA(Advanced Telecom Computing Architecture)対応サーバーをリリースされました。従来の製品とは、何が異なるのか。 我々のATCA製品は、オープンスタンダードな次世代ブレードサーバーと位置づけられる。今年2月に発表した「Netra CT900」は、PICMG(PCI Industrial Computer Manufacturer's Group)3.0に準拠している。この標準ではブロードバンドネットワークのニーズに対応するため、複数の高性能プロセッサが利用できるようになっている。
Netra CT900はどのような特徴を持っているのか。 最も大きな特徴は、複数のプラットフォームとOSが混在させられることだ。この製品では1台のシェルフに最大12枚のプロセッサ・ブレードが収容できる。シェルフにはUltraSPARC IIIiクラスのプロセッサを最大2個搭載できるNetra CP3010 UltraSPARC ATCA Bladeと、シングル・コア/デュアル・コアのAMD Opteronプロセッサが搭載できるNetra CP3020 AMD Opteron ATCA Bladeの2種類のプロセッサ・ブレードが搭載できる。またNetra CP3020にはSolarisだけでなくMontaVistaのキャリアグレードLinuxが搭載できる。これにより異なるOSとプロセッサが混在でき、ユーザーの多様なニーズに柔軟に対応可能だ。
発売はいつ頃か。米国では2月、日本では4月に出荷を始めており、10社近くのNEPが検証を行っている。
ATCA対応製品は他社も力を入れています。サンの強みはどこにあるのか。 我々はATCA戦略を「選択制」「革新性」「バリュー」の3つをキーワードとして考えている。
「次」の製品では何が期待できそうか。 我々は、今CMT (Chip Multithreading Technology)という新技術に非常に力を入れている。これは、マルチスレッド環境に最適化させたコンピューティング技術で、各CPUのメモリアクセスの待ち時間を極小化することでパフォーマンスを大幅に向上させ、かつ消費電力を抑えることができる。重要なのは、この技術を活用することで非常に高性能な「ネットワークプロセッサ」が実現できることだ。
キャリアグレードサーバーで「ルーター」の機能も実現するということか。その通りだ。特にエッジルーターについてはかなりの部分をまかなえるようになると思う。もちろんゲートウェイやメディア処理など、活用領域は非常に広い分野に及ぶと考えている。
キャリアグレードサーバーがルーター機能をサポートするメリットは、どこにあるのか。1つはコスト面。さらに大きいのがCプレインとUプレインが統合されることで、双方を単一のオープンアーキテクチャーでシステムを開発することができるようになることだ。
これが実現すればキャリアグレードサーバーの市場規模は大きく拡大することになるのか。 その通りだ。おそらく現在とは比較にならない規模になっていくだろう。同時に通信市場のあり方を大きく変える可能性も秘めていると考えている |