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インタビュー

ハード/ソフトを統合して提供
音声・映像アプリの開発を効率化

 

 

クリッツ・チャン

NMSコミュニケーションズ Vice President and General Manager, Asia
Critz Chan

 
NMSコミュニケーションズが今年市場に投入する「Visionシリーズ」は、NMS社自身がハードとソフトを統合して提供するIMSソリューションだ。特に、通信キャリアの音声・映像系サービスの開発期間を大幅に短縮することが期待される。新製品投入の狙いを、同社アジア地域担当副社長のクリッツ・チャン氏に聞いた。

 

新製品の「Visionシリーズ」とはどんな製品なのか。

  NMSはこれまで、音声処理ボードなどの高性能なハードウェア製品とソフトウェアプラットフォームをパートナーに供給し、パートナーがこれらの上で、キャリアやサービスプロバイダ向けのソリューションを開発していく形でビジネスを展開してきた。Visionシリーズは、当社自身がこれらのソフト/ハード製品をサーバー上に実装して提供するものだ。

 これを利用することで、パートナーは実装や動作確認の作業から開放され、IMSアプリケーションの開発に専念できる。結果、システム開発の期間とコストを大幅に削減できる。また、音声や映像のアプリケーション構築に必要な各種の機能モジュールがコンポーネント化されているので、Vision シリーズ同士はもちろん、他のサーバー製品と柔軟に組み合わせて、多彩なIMSアプリケーションを実現できる点も大きな特徴だ。

 

Vision シリーズの具体的なラインナップは。

 @メディア処理を行う「Media Server」、A音声アプリケーションの開発を効率化する「VoiceXML Server」、BIP網と3G網の間で映像伝送プロトコルを変換する「Video Gateway」、C携帯電話の機種別に映像フォーマットを変換する「Video Transcoder」、DSS7に対応しPSTNやISDN網とIMSを接続する「Signaling Server」の5製品がある。2006年第4四半期までにはラインナップが揃う。

 Video GatewayとVideo Transcoderは、3G携帯電話の映像アプリケーション開発に対応した当社の「Video Access」という製品をベースに開発された。これらを活用すれば、IPベースのテレビ会議と3G携帯電話を統合するようなシステムを容易に構築することができる。

 

Visionシリーズは、モバイル関連の映像系アプリケーションを構築するための製品と考えていいのか。

 映像アプリケーション専用ではない。IMSを含む音声・映像関連の多様なアプリケーションに対応するプラットフォーム製品だ。「Vision VoiceXML Server」は2006年初めにβ版をリリースしたが、欧州の有力機器メーカーがこれを用いてモバイルセントレックスシステムの開発を進めている。

 

モバイルセントレックスの開発期間が3分の2に

開発期間の短縮が見込めるとのことだが、どの程度効果があったのか。

 このケースでは8週間で開発が完了し、この5月にはサービスを開始する見込みと聞いている。通常この種のシステムは3カ月前後の開発期間を必要とするから、3分2で済んだことになる。これには、予めハードとソフトが統合されていることに加え、業界標準のVoiceXML2.0でアプリケーションを構築できるようになったことが貢献している。XMLベースなら、開発が容易で技術者の確保もしやすく、さらに他の音声関連サーバー製品等とも容易に連携できるという利点がある。

 
通信事業者をメインターゲットとする製品だと聞いているが。

 一般のサービスプロバイダー向けの「2000シリーズ」と、キャリアグレードの「5000シリーズ」の2ラインを用意している。近年の通信事業者間の競争激化は、サービスフルフィルメントの最適化を不可避なものにしている。Visionシリーズはそうしたニーズに応えることができる。また、SS7をサポートしているので、既存ネットワークとも連携できる。さらに、通信制御を担う「Vision VoiceXML Server」とメディア処理を担う「Vision Media Server」の完全2重化により、高い信頼性が確保できる。通信事業者の高度な要求条件にも十分対応できる製品となっている。

 
日本ではどのような事業展開を考えているのか。

 既に当社のパートナーである大手交換機メーカーが、Visionシリーズ上でのアプリケーション開発を決めている。今後、Visionシリーズを使って構築されたさまざまなソリューションが、事業者へ提案されることになると思う。

 また当社は今年、携帯電話のクライアントソフトを開発するオープンエラ・テクノロジーズ社を買収した。これにより、クライアント側とサーバー側双方のIMSソリューションを展開できるようになった。魅力的な携帯電話アプリケーションを提供することで、サーバー側の受注につなぐ形のビジネスが、パートナーも含めて可能になるだろう。特に3Gが広く普及している日本は、当社の強みが活かせる市場だ。遠からず、日本のさまざまなモバイルアプリケーションのバックヤードで、Visionシリーズが使われるようになると期待している。


(聞き手:藤井宏治)