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NGN+S 2007 Autumn 講演抄録

〜高まる新ビジネスへの期待感〜

NGNによる
ISP事業の変貌と展望

 

 

飯塚 久夫氏

NECビッグローブ 代表取締役社長

 
光化に伴う担金の低下、トラフィックの急増、インターネット広告の寡占化など、ISPを取り巻く環境は極めて厳しいものになっている。ビッグローブではその活路をプラットフォーム事業の強化に求める。NGNにも積極的に取り組みむことで次世代プラットフォームの構築につなげていく。

 

 NGN時代、光時代を迎えインターネットサービスは夢と希望にあふれる新たなサービスに変貌しつつあるといえるでしょう。ただ、今その担い手である私どもISP事業が大変な試練の時期を迎えていることも事実です。本日はこうした中で当社がどんな戦略を取ろうとしているのかについてお話をして参りたいと思います。
 ご存じの通り、私どもビッグローブは日本有数のISPの1つです。長くNECの一部門として事業を行ってきましたが、昨年から独立会社として運営を行っています。
 本来事業の「接続事業」では、国内第2位の約600万の有料会員を擁しております。もっともこの事業は決して成長分野とはいえません。そこで当社では動画配信事業や広告事業を手がける「ブロードバンドメディア事業」に力を入れていますが、この事業もかなり大変な状況に置かれています。その中で今我々は新しい事業の核として「プラットフォーム事業」を戦略的に伸ばしていきたいと考えています。
 さて、冒頭で述べた試練の1つがブロードバンド化、光化に伴い担金が急速に落ちてきているのに、逆にトラフィックが急伸していることです。ダイヤルアップ時代は月平均3000円程の収入が得られていましたが、ADSLになると私どもの手取りは1500円程に、光では500〜600円という恐るべき状況となってしまっています。
 他方ではYouTubeなどの動画サイトを筆頭に収益につながらないトラフィックが急増、最近ではGWを通過するデータ量は年170%くらいのペースで伸びています。ISPはこれに対する膨大な投資を強いられています。
 もう1つの大きな問題がインターネット広告の寡占です。現在日本のインターネット広告市場は3000億円ありますが、その内2000億円がYAHOO!1社の売り上げで、1000億という利益を稼ぎ出しています。当社を含めISP各社がこの分野に力を入れていますが。実績は推して知るべしです。
 こうした中で私どもが注力しているプラットフォーム事業というのは、当社のデータセンターやネットワークオペレーションセンター、コールセンターなどが持っている個別のサービス基盤、課金システムなどを活用してお客様のシステムをアウトソーシングするというものです。
 これまでもメール配信、VoD、携帯基盤など多くのシステムを提供してきましたが、最近はSaaS基盤としてのプラットフォームを強化していきたいと考えています。
 具体例を挙げると、日本テレビの「第2日テレ」のシステムは当社が運用しております。このシステムはわずか2カ月で構築することができました。TBSの携帯基盤も当社が手がけているものですが、これにはテレビ番組連動企画に伴うトラフィックの変化に対応するための様々なノウハウがつぎ込まれています。
 SOAをベースに多彩な用途に対応するプラットフォームを構築しようとしていますが、これに関連したものとしてアドビシステムズと共同で構築中の新しいプラットフォームがあります。
 ご存じの通りアドビの技術にはOS非依存、ブラウザー非依存という特徴があり、当社も動画配信に採用しているのですが、これはビジネスにも威力を発揮します。すでに文章が相手に届くまでの盗難、誤送付、漏洩などのリスク対応するドキュメントコントロールの提供を計画しているところです。
 ビッグローブではNGNにも積極的に取り組んでいます。NGNトライアルでも当社自身でWindow Media VideoにSIP拡張を施し、QoSを確保した高品質動画配信を実現しました。
 今のNGNには、インターフェースが明快でないなどまだ物足りない部分が残るのも確かです。NTTが本気でNGNを通じてパートナーと新たなアプリケーションを作りだそうとされていることも事実で、私はここに大きな可能性を見いだしています。当社もキャリアと連携して新時代のサービスを作り上げたいと考えています。

 

NGN+S 2007 Autumn 講演抄録