NGN+S 2007 Autumn 講演抄録
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〜高まる新ビジネスへの期待感〜
KDDIのウルトラ3G構想と FMBCへの取り組み
安田 豊氏
KDDI 執行役員 コア技術統括本部長 |
KDDIが構築を進めている「ウルトラ3G」はコアネットワークのIP化によりインフラコストの低減、サービス開発の効率化を狙う次世代ネットワーク。KDDIはこの新ネットワークにより無線と有線のシームレスな通信環境を整備し、放送サービスとの連携・統合を図るFMBCを実現、Web2.0時代のユーザーニーズに応えていく。
ここではKDDIのNGN構想「ウルトラ3G」への取り組みと、そのサービスコンセプトであるFMBC(固定とモバイルの統合及び通信と放送の連携)を軸にお話をしていきたいと思います。
今、通信業界は、@ADSL、FTTHの普及に伴う動画、P2Pアプリケーションを中心としたインターネットトラフィックの激増、A音声トラフィックの減少やデータ通信への定額制導入などに伴う収益構造の変化、B市場の飽和、C携帯市場への新規参入、MNPの導入、新料金体系導入などにより競争環境の激変の波にさらされています。
こうした中で通信事業者は「固定・移動の区別なく、増大するトラフィックを扱うことができる新たなネットワーク」の構築により、事業の質的な転換を図ることが求められています。この新しいネットワークがNGNです。
そのベースとなるのが「コアネットワークのIP化」です。インターネット技術を応用し、従来のサービス毎に構築されたネットワークを統合することで、インフラコストの削減が実現できます。
さらにプラットフォームの共通化、マルチメディア化により、サービス開発の効率化を図りサービス競争力を強化することが可能になります。
私どもの移動ネットワークであるCDMA2000のMMDと呼ばれる共通のサービスプラットフォームによりこれが実現されます。我々はこのウルトラ3Gで移動アクセス、固定アクセスなど多様なインフラを統合し、さまざまなサービスをシームレスに提供することを目指しています。
当社では固定ブロードバンドでは03年からトリプルプレイを提供しており、NTTのドライカッパーを利用したIP電話サービスである「メタルプラス」、CATVによるIP電話にも力を入れて参りました。
昨年秋にはKDDIのコアネットワークにMPLSベースの新たな統合IP網を導入しております。これを基盤としてウルトラ3G、FMBCを実現していこうとしているのです。
アクセスネットワーク関連の取り組みでは、ご存じの通り、モバイルWiMAXの実用化に力を入れています。このサービスによって、例えば企業向けにワイヤレスでシンクライアントを実現できるといった新しい切り口のサービスが提供できるのではないかと期待しています。
無線アクセスでの次世代ネットワークでは、3Gの発展系としてLTEやUMBなどが実用化されつつあり、これらの検討も始めていますが、これらはいずれもWiMAXと同様OFDMA技術をベースにするもので、これが次世代のキーテクノロジーといえます。
FMBCのうち固定網と移動網の統合・連携では、まずサービス面からブログサービスや音楽配信のケータイ向けとPC向けのサービスを統合することを行っています。
また、固定と移動でシームレスな通信環境を実現することで、同一セッションを維持しながらサービスを切り替えていく技術や、異種メディアの混合・連携、IPv6への対応などの技術開発も進めています。
これらがさらに放送と統合・連携することでFMBCが実現されることになるわけです。
KDDIではご存じの通り携帯電話端末へのFM放送やワンセグの受信機能の搭載にも積極的に取り組んでいます。
一部の端末にはデジタルラジオ受信機能の搭載も行っており、これを活用して放送波でコンテンツの配信を行うIPoverデジタル放送の取り組みをFM東京などと協力して進めています。
ユニークなところでは、ワンセグ対応携帯電話端末向けに微弱な電波で特定地域や施設内など、限定したエリアへの情報提供を可能にする「ワンセグ・エリア放送」などの実用化にも取り組んでおります。またこの実現に不可欠な認証システムの開発にも力を入れています。
さらには、アナログテレビ放送の終了後の電波を利用して「MediaFLO」という携帯電話向けマルチメディア放送サービスの事業化も実現しようとしています。
加えてWeb2.0の潮流の1つであるCGM(Consumer Generated Media)型のサービス、ブログ、SNSなどの展開にも力をいれており、これらと放送メディアとの連携による新しい可能性を追求していきたいと考えています。KDDIはFMBCを推進することで、お客様の生活をさらに楽しく、安全・便利にして参ります。