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NGN+S 2007 Autumn 講演抄録

〜高まる新ビジネスへの期待感〜

日本のICT競争力の
鍵を握るNGN
 

 

 

竹内 芳明氏

総務省 総合通信基盤局 電気通信技術システム課長当

 
NGNは日本のICT産業の競争力確保における鍵となる。その普及促進は重要な政策課題であり、行政も様々な取り組みを進めている。NGNのリリース2、リリース3の標準化にはアジア諸国として連携して参画、ポストNGNにあたる新世代ネットワークの開発にも積極的に取り組み、知財の確保に努めていく。

 

 ここでは、NGNを巡る全体状況と、来年3月のNTT東西のサービスが開始までにどのような問題を解決しなければならないのかなどについてお話して参りたいと思います。
 ご承知の通り、今、世界中の通信事業者がNGNの構築に積極的に取り組んでいますが、その動機には大きくIP化によるコストの低減と光アクセス網の整備による収益向上の2つのベクトルが存在します。そのどちらに重きを置くかによって各事業者の戦略をある程度色分けできるのではないかと思います。
 NGNの構築と同時に光化に積極的に取り組んでいるNTTは前者の典型ですが、海外でもベライゾンやフランステレコムがIPTVに取り組むためにFTTHと組み合わせた形でのNGNの構築を進めています。BTやドイツテレコムはどちらかというとコスト削減に重きを置いていますが、ドイツの場合は最近になってIPTVの推進に向け光とメタルを組み合わせたFTTRに積極的に取り組み始めていています。
 後者のベクトルから見れば日本のNGNはまさに世界の最先端にあるといってよいのではないでしょうか。
 次にNGNの普及・発展に向けた政策課題、行政の取り組みについてお話をしましょう。
 まず、サービスの開始に向けての大きな課題が公正競争条件の確保です。NTT東西はNGNを既存の地域IP網や光電話網にオーバーレイする形で整備しており、最終的にはNGNに統合していく予定だと聞いています。ネットワーク全体のリプレースになるわけですから、当然競争条件にも大きな影響がございます。
 そこで競争ルールのあり方、特に接続ルール、接続ポイントの場所や数、接続料金、どの部分を指定電気通信の対象とするのかなどについて、10月から検討を開始しており、年度内には結論を出したいと考えております。
 もう1つ非常に重要な問題が、IPネットワークの信頼性の向上です。ご存じの通り昨年から今年にかけて、IP電話の故障が頻発し社会的な問題になりました。最近は確かに春先のような大規模、長時間の故障は減ってきたのですが、故障件数自体はむしろ増加傾向にございます。
 そこで、われわれとしても研究会の開催、業界団体による故障情報の共有や税制面での支援、様々な対策を進めております。また次世代IPネットワーク推進フォーラムにおいても、幅広い議論がなされております。これらの議論を審議会などに反映し省令などの形にしていきたいと考えております。
 また競争促進プログラム2010で規定された通信端末の技術基準の見直しについても、08年にまたがる部分もございますが進めているところです。
 われわれが力を入れているのが、NGNの高度化に向けた取り組みです。ITUで標準化された現行のNGNリリース1は、欧州のTISPANの仕様をベースに策定されたものですが、今後のリリース2、リリース3についてはぜひアジアを中心に積極的に働きかけをしていきたいと考えております。そのために、日中韓でテストベットを作って実装規約のすりあわせを行っていきたいと考え調整を進めております。
 NGNの次のネットワークへの取り組みも開始しております。こちらでは、NGNをしっかり定着させつつ「ノンIP」を含む新しい技術を開発していこうというプロジェクトが進んでいます。この分野は知財確保を含めてしっかり取り組んでいきたいと思います。
 私どもは、NGNを日本のICT分野における競争力を左右する大変重要なネットワークだと考えております。これを普及・発展させていくために、行政としても速やかな制度整備を進めて参ります。
 あわせて事業者やメーカーの皆様にもインフラ構築、品質制御、サービス・プラットフォームの開発、標準化など様々な分野で連携をお願いしたいと考えております。 (文責・編集部)

 

 

NGN+S 2007 Autumn 講演抄録